工事が始まる前、冬期間の茨木家中出張番屋を札幌側からみる。
ブルーシートで養生しているが、ハッキリ大屋根がくの字になって、軒が崩れ落ちかけているのがわかる。
それが・・・
内部工事が先に入り、雪が溶けてまず大屋根修復工事から着手。
折れて垂れ下がっていた軒を全部新品にして屋根をしっかり支える。
足場の手前に、創建当初はなかったトイレが外部に新設されていたが、
それが老朽化破損し、外側に倒れ込み、それが大屋根を引っ張り、屋根を支える屋根組みの柱まで歪めていた、それを綺麗に撤去し、創建当時の外観に復原する。
それがこんなに綺麗に修復されて!
以下は、茨木家中出張番屋修復工事の設計監理をされる
山之内建築兼研究所ブログ・住まいづくりYYAAの4月23日の記事から転載させていただきました。)
・・・ 落雪防止屋根工法
23日午後、小樽へ向かう。発注者主催の会議があり、監理者として工事の進
捗状況などを報告した。現在、鰊番屋現場は外部の屋根板金工事、そして内部はネダイ等の修復工事にかかっている。
屋根は厚0.35mmのガルバリウム鋼板の落雪防止屋根工法、いわゆるステイルーフ。
軒先の積雪荷重を軽減するため、軒先約1m部分は雪が滑りやすく積もりにくい横葺きとした。
今回の修復工事は、建物のおよそ半分を地域の町内会館として使用する。そもそも明治末期に作られた魚場建築に断熱など期待できるはずもない。既存の大屋根
の中に、断熱材で囲われた町内会館部分をいわば「入れ子」として設けている。
↑ この部分では、しっかりと床・壁・天井を断熱し、弱点となる窓は高性能なトリプルガラス入りの木製断熱サッシを入れた。
(↑ 画像は、茨木家中出張番屋修復工事の設計監理をされる
山之内建築兼研究所ブログ・住まいづくりYYAA4月23日記事から転載させていただきました。)
これから道路側の大屋根トタン葺き工事になるのです。
電柱が・・・
これで、札幌側40m暗い離れていた茨木家元場(本宅)に負けない復原になる。
本宅の庭を囲む赤の板塀が一層綺麗にみえます。
茨木家中出張番屋正面、玄関上部の大屋根も、暖房機肺炎部分から雪解け水で破損していき、軒が折れ屋根の軒が垂れ下がってました。
それを内部から天井板を新規に取替て修復します。
垂れ下がっていた軒の部分の天井板もこの通り取り替えられて。
さあ、寄せ棟の大屋根を支える5本の小屋組み。
良く見ると・・・・
このとおり、外れかかっていました。
本当にこの建設業と地域の元気回復助成事業で茨木家中出張番屋修復工事が間に合ったのです。 これが積雪の重さで外れてしまっていたら、大屋根は崩れ落ちていたかもしれません。
懐中電灯で、大工さんが照らして説明を受けたときは正直、ドキッとしたものです。
それが完全に修復されたました。
しっかり5本の屋根組がしっかり固定されました。
これでどんな大雪でも大丈夫!
広い板間の周囲に設置された、にしん漁の漁夫達が寝た「ネダイ(寝台)」もこの通り補修され、新築に。
麻呂から日が差し、眩しい木の肌です。
創建以降、様々に使われ、昭和30年代以降に設置された新建材の壁や天井板が取り払われて発見できた屋根裏部屋、全部で玄関上部と台所上部2カ所ありました。
前記事で紹介した台所の床下、上下水道配管埋設工事も終了し床下には断熱材が。
さあ、茨木家中出張番屋の座敷住居部分、それもL字に外壁を出窓で飾った部分の修復工事がいよいよ始まります。