8/6までは摂氏35℃の猛暑と熱帯夜の小樽だったのですが、
建設業と地域の元気回復助成事業
=祝津地区漁場建築修復と地域振興に関する事業
の「
試行事業」である、
ワンディシェフレストラン事業が、生憎の曇り空の祝津茨木家中出張番屋で、8/7開催されました。
「建設業と地域の元気回復助成事業」の
申請段階では、
1.修復なった茨木家中出張番屋を使い、
2.町内会婦人部や祝津漁協婦人部の皆さんが主になって、
3.祝津前浜の豊かな魚介類をふんだんに使った「賄い料理」を作えい、
4.祝津を訪れて頂いたお客様に茨木家中出張番屋で提供する試行をし、
5.それを将来恒常的に、又は夏の観光シーズンの実施によって、祝津の活性化に供する、
という、「漁村版・ワンディシェフレストラン」イメージだったのです。
茨木家中出張番屋修復工事の竣工目前に出来たキッチンは、素晴らしく清潔で、窓も開放的な、クリーム色に仕上げられました。
あの板壁やガラス戸も神社側からの落雪と融雪で外が見えるほど破損・崩落し、入室するのも怯むほど傷みに痛んだ台所とは、天地でした。
広いシンク、三基のガスレンジも。
しかし、そのキッチンは・・・一般家庭用で、とりわけガスレンジは大量の料理を煮炊きする火力をもつものではなかったのです。
実は、一般家庭以上の能力をもつガスレンジやシンクなどの
設備の備え付けは無理でした。
修復工事全般が厳しい予算内での工事で、とりわけ剥がしてみないとわからない歴史的建造物の修復工事は、余裕を持った予備費を設けないと、難しいのです。
しかし、税金を補助してもらう事業に、「予備費」という枠はありません。
更に、請け負って頂いた山谷建築店さんも、懸命に契約金額内でどう完成するかと頑張ってもらい、切り詰めるにいだけ切り詰めざるを得ず、そのプロセスを見守ってきた北後志風土ツーリズム協議会としては、内装設備まで充実することを望むのは・・贅沢だったのです。
そういう充実した内装設備は、修復なった茨木家中出張番屋の使用料収入を確保し、財源を安定化させて自前で用意してもらおう・・・と。
しかし、
申請段階で試行事業とした「ワンディシェフレストラン事業」以上、実践せねばならず、
茨木家中出張番屋の新キッチンで多くのお客様に提供する料理をどこまで作れるか・・と実は悩みました。
そこで、竣工前の5月頃から、この「ワンディシェフレストラン事業」の
試行事業内容を、全面的に検討しなおさざるを得ない、と決断したのです。
申請当初の「ワンディシェフレストラン」事業の展開イメージは、
・ポスターやチラシなどを製作し、大々的なワンディシェフレストランの告知宣伝
・マスコミや北後志風土ツーリズム協議会の各団体のウェブサイトやブログを通じた宣伝
・竣工式典が実施された後のイベントだから、マスコミも注目して頂ける
・観光協会や小樽商工会議所、祝津たなげ会などのルートを通じた、ワンディシェフレストラン・チケットを市内や札幌圏に、安価販売する。
・以上をもって、茨木家中出張番屋でのワンディシェフレストラン事業も含め、再生なった茨木家中出張番屋自身の宣伝告知と、本格的ワンディシェフレストラン事業の展望を切り開く。
というイメージでした。
が、本年5月祝津で開催された第二回にしん祭りの成功が脳裏に浮かびます。
あの1〜2時間待ちのニシン1000匹丸焼きの行列が想起されました。
とても、この茨木家中出張番屋のキッチンの料理提供能力では対応できず、料理が出るまで待って頂くお客様には
却って不評を買う事態になる、と。
どのような展開が可能かを模索します。
ワンディシェフレストラン事業を恒常的に実施していくためには、キッチンに冷蔵庫・冷凍庫・電子レンジ・消毒用洗面台など厨房器具を揃え食品衛生上の内装設備を整えるのは勿論、保健所の営業許可や食品衛生責任者や調理師免許取得者の配置など、
食の安全・安心に十分対応した主体的準備・整備が必要となります。
例え、夏の観光トップシーズンだけ実施するにしても、不特定多数への食の提供には、同様の厨房環境が最低限必要です。
小樽の観光まちづくりのためにやってきた事業で、食中毒発生など想像したくない事態です。 ましてや、暑い夏、観光のお客様の体調は天候にも左右され、食あたりしやすい季節でもあるのです。
そんなところに、祝津たなげ会で頑張る
祝津マリーナの諸沢社長から、申し出が舞い込みます。
「
第29回北海道少年少女ヨット大会・小樽大会」
が小樽マリーナで開催されるが、せめて
祝津でこそ参加者や役員・父母の「交流懇親会」を開催したく、茨木家中出張番屋を使わせてくれないか、という話だったのです。
話を伺うと、参加少年少女は20名前後、それに大会役員と父母が40名前後、合わせて60名くらいというのです。
グッドタイミングです。
「第29回北海道少年少女ヨット大会」時の「ワンディシェフレストラン試行実験事業」として開催となれば、厨房設備の不備のままイベント的にワンディシェフレストラン事業を強行し不興を買うこともなく、来年度以降の実践のためのデータ収集と経験を蓄積できるのです。
更に、
●最初から参加人数が明確になっているというのが、あらかじめ不特定多数のための準備は不必要となり、限界のある厨房環境下でも実施がしやすい。
●茨木家中出張番屋キッチン能力と食品衛生上の調理は、祝津たなげ会の会員であり
保健所の営業許可を取得している青塚食堂さんと祝津マリーナ(レストラン)の
「バンケット」とすれば、食事提供はクリアできる。
●北海道セイリング連盟・北海道ジュニアヨット連盟・(財)日本セーリング連盟主催で、過去28回も全道各地で大会を開催してきた方々で小樽ヨット少年団が軸になるのであれば、
茨木家中出張番屋の使用に関しても、政府の補助金投下で修復なった茨木家中出張番屋を
責任を持って規律正しく当方の指示に従ってもらえる。
●これに北後志風土ツーリズム協議会も立ち会い、
セキュリティ会社に定時パトロールに来て貰えば、万全の体制を組めるのでした。